チチチチチ、というアラームの音で目が覚めました。6時30分。窓から射し込む太陽の光は明るく、雨雲は見当たりません。かなりいいコンディションです。
 僕の喉は相変わらずトーンダウンしてますが、かなり快方に向かっているようで、さぁ、やるぞ、っていう気合いを込めて、シャワーなんて浴びてみました。風邪だっていうのに。

 7時30分過ぎに朝食をとりに1回へ下りると、ちょうど赤い一番さんたちが先に入っておられて、僕もその近くに席を取りました。もともと日本料理・しゃぶしゃぶのお店だけに、美味しくいただけました。最後に、セルフサービスながら、コーヒーを頂けるのも、和食らしからぬサービスですが、気に入りました。そのあたりは、さすがシティホテルだな、と思いましたけどね。

 部屋に戻ってしばらくゆっくりした後、8時20分過ぎに、精算のために、ロビーへ下りていきました。精算をしていると、ちょうど赤い一番さん組が玄関のドアから入ってこられて、「風がすごいですよ」と一言。僕も、先に大きな荷物を車に積んでおこうと、肩に担いでドアを開けたら、いきなりビューっと、突風が。思わず、うわっ、と声を上げそうになったくらい、体が泳ぎました。
 まぁ、風がなくて雨が降るよりも、よっぽどいいとは思うんですけど。ホテルの部屋から風の様子までは見えなかったです。

 8時30分近くになってやすいさんが、そしてやや時間を置いてぶんぶんさん組がロビーに集合。余裕を見て「8時45分出発だから」と、8時30分に集合したんですが、今、出発しちゃうと、ちょっと早すぎるんですよね。田原工場は9時30分からの予約で、ここから工場までは、普通に走ると15分弱ですから、9時前には着いてしまうことになります。工場の事務館にロビーがあったはずなんで、30分くらいなら休憩させてもらえるだろう、という勝手な判断で、出発することに決めました。

 駐車場から4台連ねて出発。ここからトヨタ自動車田原工場までは、下見で何度も走った道。実はカーナビがなくても走れるようになってしまいました。1回だけ、勘違いで違う交差点でターンシグナルを出してしまいましたけどね。すいません。
 結構、起伏の激しい道路があり、ちょうど谷にさしかかった時、連なる3台がミラーに写り、何とも言えない喜びを感じてました。
 緑ヶ浜の交差点を左に折れ、立派な片側3車線道路を北上します。で、いよいよ最後の交差点。名称は忘れましたが、ここを右折すれば、大きな門があり、トヨタ自動車の敷地内です。

 左右に従業員用の大きな駐車場が並び、しばらく走ると、右手に大きな風車のプロペラが見えてきます。それが見えれば正門も間近です。
 正門を入り、すぐにお客様用の駐車場があります。そこにまた、4台を並べて駐車。
 さすがに駐車場内はトヨタ車が多いですが、同じ車種が4台も並んでいるところは、ここくらいなモンでしょう。
 で、エンジンを止め、ドアを開けると、5台目にグリーンメタリックの2.4が止まってるじゃありませんか。ぶんぶんさんがこちらを見て、「あれは、…ですよねぇ」。
「そうです。そうです。」
 岐阜からお越しのたかのりさんです。今朝早くに出発していただいたそうで、お連れさんも一緒です。これで、田原工場見学の全8名が揃いました。
 今回参加の唯一の2000年モデルで、ぶんぶんさん、赤い一番さんとも興味津々のご様子。僕も興味があるんですけどね。そのための時間を工場見学の後に蔵王山で取ってあるんで、お楽しみは後で、という感じです。
 とはいえ、強風が吹き荒れる天候のため、体感温度は低く、誰からともなく、「中に入りませんか」との声が。まぁ、30分以上早いからといって追い出されるようなことはないだろうと、みんなで事務館へと歩きます。
 2枚の自動ドアを抜け、暖かい室内へ入ると、方々からホッとした声が。
 フロントにいらっしゃった責任者らしい男性の方から、しばらくお待ちください、との言葉を頂き、ソファーに腰掛けて待つことに。その間にたかのりさんとご挨拶。
 本日早目に岐阜を出発されて、2時間(30分だったでしょうか)ほどで、到着したとのこと。で、早目に出たので、早目に着いてしまい、近くの公園で時間をつぶしていただいていたようです。そしたら、予想よりも早い時間に4台のキャバリエが目の前を通過していったもんだから、急いでついてきて頂いたということらしいです。
 まぁ、問題なく8名が揃ったんで、僕としては一安心です。あとは、9時30分を待つだけ。

 と思っていたら、カゴを持った女性が登場。本日、工場見学のガイド役を務めていただく総務広報グループの藤丸様です。クリーム色のスーツがとても素敵な方です。
 時間前だったんですが、始めて頂けるとのこと。

 同じグループの渋目の男性の方の先導で、別フロアにある会議室へ。
 大きな会議用のテーブル(ちょうどキャバリエのCMでみんなが囲んでいるテーブルくらいの大きさはあります)の片側に8名分の資料が用意してありました。なんか、グループ面接みたいな配列です。
「リーダーは真ん中に」、と赤い一番さんの指示で真ん中あたりに着席したんですが、そう言えば、いつしか、赤い一番さんからはリーダーって呼ばれてました。そんなに統率力はないんですけどね。でも、かっこいいんで、否定はしてないです。

 説明役の山村様とおっしゃるこの男性から、配布資料の説明を受けました。まずは、キャバリエのカタログ。今、ディーラーに並べられている雑誌風のものです。それと、田原工場のパンフレット。それとトヨタ車の描かれた絵葉書のセット。
「それと、皆さん、こちらに入られる際にお気づきなられたかとは存じますが」
 と入口に目をやれば、インディー君が並んでるんです。
「これを、皆さんに、(記念として)お持ち帰りいただこうかと…」
 この瞬間、会議室内にどよめきの声と、拍手が沸き起こりました。インディー君のぬいぐるみか、携帯電話用のストラップか。どちらかを頂けるということです。
 最近の成約記念のプレゼント商品のようで、ストラップは2000年モデルを購入されたたかのりさんは携帯電話に付けていらっしゃいました。

 ひとしきり騒いだ後、いよいよ工場見学の開始です。
 それに先立って、工場のあらましの紹介から。

 敷地面積が約120万ヘクタール、甲子園球場が120個も入り、北端のヤードから南端まで普通に歩いて1時間かかるという大きさの巨大施設です。この工場だけで6600人の従業員がいるということですから、やっぱりトヨタですね。
 一通りの説明を受けた後、田原工場のプロフィールビデオを見せていただきました。
 セルシオの製造ラインのビデオだったんですが、エンジン部分の製造工程や、ボディの加工、塗装行程、各種テストの様子など、見ることが出来ない部分だけに興味深かったです。あと、工場全体の仕事の進め方や環境問題についての取り組みなど、本当の意味で田原工場全体の紹介となっていました。

 この、15分ほどのビデオの後、インディー君を頂戴し(僕は遠慮なく縫いぐるみの方を頂きました)、いよいよ、工場見学です。
 会議室からエレベーターで1階へ戻り、正面玄関からバスに乗ります。
 バスの中ではイヤホン付の受信装置が銘々に配られました。藤丸さんのマイクの声がイヤホンを通して聞こえるので、騒がしい工場内では、必需品のようです。
 しばらく走って到着した第一工場は、主にハイラックスサーフとプラドを製造している工場で、入口には、それぞれの車が展示されています。
 この第一の部屋に掲げられたパネルで、この工場の説明を受けます。この工場だけで数百人が2交代制で勤務しているそうです。

 この部屋を出て、通路を歩くと、工場内へと入っていきます。工場内は白線で、見学用の通路が示されていて、その範囲からは絶対に出ないようにとの注意がありました。確かに、トレーラーに引っ張られた貨車が、引っ切り無しに行ったり来たりしているので、広報としてもかなり気を遣っていらっしゃると思います。幸い、CLUB CAVALIERのメンバーは物分りのいい人ばかりで、みなさん、きちっと、一列で並んで歩いていただいてます。
 製造工程の大部分を機械化し、いわゆる重労働の部分を極力無くしたこの工場は、昔からある町工場なんかとは全く違った雰囲気で、額に汗、という感じはしなかったですね。
 例えば、かなりの重量があるエンジンも、クレーンで適当な場所へ移動させ、スイッチ一つでボディに装着されてしまいます。シャシーとボディーも、昔は3名ほどで、位置決めをして接合させていたようですが、現在では、機械が自動的に位置を読み取って調整を繰り返して間違いなくつなぎあわせるのだとか。
 ガラスへの接着剤の塗布も、人間による手作業ではムラが出るということで、機械塗りです。綺麗に、間違いなく、一定量の接着剤が塗られるんですね。
 ほかにも、ケアレスミスの防止システムも見せていただきました。基本的にコンベヤシステムですから、一人がミスをして、次の人がそれに気づかずに作業を進めてしまえば、最終的に不完全なクルマが出来てしまうわけです。そこで、担当の者が、作業忘れをしないようにしたのが、このシステム。
 作業行程ごとに黄色や緑のランプが用意してあり、作業行程のタイミングに合わせて黄色いランプが点灯します。で、その作業を実際に行なえば緑に変わり、万一手付かずのまま、流れていきそうになったら警報が鳴るということのようです。

 また、面白いなとおもったのが、同じタイミングで、全く異なる車種を同時に作ってしまうということなんです。私事で恐縮ですが、学生時代、新幹線などの車内販売、及び駅売店販売用の弁当を作る工場でアルバイトをしていました。
 その時は、例えばAという弁当を150個、Bという弁当を200個作るとしたら、Aの1個目から続けて150個、続けてBを200個作っていました。その方が、明らかに生産性がよく見えます。
 ところが、ここ田原工場では、プラドの次にサーフが来たかと思えば、またプラドが来たりと、1日の生産台数を決めて区切っている訳ではなさそうです。さらに、グレードによって設備に微妙な違いがあったり、メーカーオプション装備車が混じっていたりと、よくもまぁ、見事に管理できるものだなと思いましたね。実は、その種明かしもしていただいたんです。1台毎のルーフの上に乗っている四角いボックス。これがIDの識別番号を持っていて、機械が自動的にそのクルマに装備すべき情報を瞬時に読み取るんだそうです。もちろん、人間には感じない電気的なデータですから、人間用に、ボンネット部分に仕様書が貼り付けられています。

 トヨタの工場といえばカンバン方式で有名ですが、直接にそれを感じることはなかったんですが、部品をつんだトレーラーが行ったり来たりしていたのも、関係があるんでしょうか。
 ビデオで見た部分でもあるんですが、勤労者の肉体的な疲労を極力おさえるため、作業員にやさしいスタイルで仕事が出来るようになっています。
 たとえば、ボンネット内の作業は、基本的に中腰でするのが普通ですが、ここでは、ボディそのものを持ち上げ、通常の立ち姿勢で作業を行なえるようにしてあったり、上を向いてする必要のある作業もほとんどが自動化、機械化されているそうです。
 タイヤの装着も自動化されています。RV車の重たいタイヤも、人間の手を一切使わずに自動的に装着されるんです。ホイールのホール部分をカメラを使って画像をデジタル処理し、微調整をして装着してしまうところなんて、超ハイテク、と思っちゃいますね。湾岸戦争の時の米軍のピンポイント爆撃を思い出しちゃいました。スイマセン、たとえが悪くて。
 エンジンの製造工程なんて、ミクロン単位で正確さを求めているそうですから、やっぱりトヨタだ、と妙な関心をしてしまいました。

 完成車のテスト部分でも、人間の目視によるチェックだけではなく、数値によるコンピュータ管理など、徹底した品質管理をされています。

 上を見上げれば、窓ガラスが、恐ろしい速さで倉庫の端から部材を必要とするセクションへと流れていってます。これは、かさばる部品を倉庫内に在庫として抱えるのではなく、作業区域外で一元管理することで、敷地の有効利用を計るため、というような、考え付くだけの素晴らしい手法が、至る所に取り入れられていました。
 個人的な興味でトヨタ自動車の工場見学をしよう、と思っただけでしたが、作業効率化、生産性向上などの面で、実務にも活かしていかなければならないなぁ、と自分の会社の心配もしてしまうほど、考えさせていただきました。

 第一工場から出て、再びバスに乗り、敷地内をいくつかの工場を外から眺めながら北上していきます。しばらく走って正面に見えてきたのが、PDIセンターです。
 この建物こそが、日本に到着したばかりのキャバリエを点検・整備し、全国のディーラーに向けて出荷する要の部分です。
 もちろん、みんなの目が輝き出しました。
 PDIセンター前のスペースには、キャバリエがずらりと並んでおり、オフ会でここにやって来たことを改めて正解だった、と思えましたね。
 輸入されたばかりのため、2000年モデルばかりですが、白キャバあり、銀キャバあり、黒キャバあり。ちょっと遠目からの眺めなんで、それだけが残念ですが、いい眺めでした。

 全長約4kmのテストコースの横を通りぬけて、ヤードへと向かいます。
 トヨタ田原工場で作られた車輌だけでなく、トヨタの本社工場で作られた車輌も並んでいます。
 このヤードからは、国内のトヨタの拠点に向けて出港する便と、アメリカをはじめ、世界に輸出する便が出港するそうです。タイミング的に積み込み作業を見ることは出来なかったんですが、北米へ輸出した船が、帰ってくる時に、北米生産のキャバリエやアバロンを積んでいることがあるんだそうです。
 アメリカで、数千台の輸出車を吐き出して、その軽くなった分だけ、船を安定させる「重石」としてキャバリエを乗っけてくるんだよ、とは僕流のジョークですが、それだけのキャバリエが日本国内にあふれたら、すごいことになりそうですね。

 トヨタ車に混じって、ワーゲンなんかもあったんですが、この外向船は、トヨタだけでなく、協力会社のクルマをも一緒に運ぶんだそうです。
 説明によれば、この三河湾にはトヨタだけでなく、世界に名だたるメーカーが拠点を持ってるんだとか。例えば、先のフォルクスワーゲンやアウディ、ローバーやベンツなど。名古屋(愛知)を日本の地理的中心として重視しているらしいです。

 事務館への帰り道、藤丸さんとお話をしたんですが、やっぱり、キャバリエ目当ての見学ツアーはこのCLUB CAVALIERが最初だそうです。よく来るのが、アリストやソアラ、セリカのオーナーズクラブの方々のようです。
 以前、アリストが20数台でやってきたことがあったとか、駐車場一面がセリカで埋め尽くされたとか。うーん、キャバリエも頑張らないとだめですね。
 愛知県近隣地域の方だけでもいいんで、また、見学に行きたいですね。

 バスが停車し、事務館で少しだけ休憩。
 そこで、あっ、と声をあげてしまったんですが、受付の横にあった工場見学のご案内の電光掲示板に「CLUB CAVALIER様」との文字がスクロールしてたんです。嬉しいですよね。この細やかな気配り。

 ひとしきり休憩して、蔵王山展望台へと移動をします。ここから5台連ねての移動となります。

 ホテルへと戻る途中の蔵王入口の交差点を蔵王山方面へと曲がります。ここからしばらく山道となりますが、こういう時の先頭って、難しいですね。直線道路なら少々スピードを上げてもついて来てもらえますけど、山道だけに、無理をしてもらっては恐いですから。といって、スピードを控えすぎてもつまらないですしね。
 まぁ、ほどほどのスピードで蔵王山展望台の第2駐車場へと乗り込みました。


 今回のオフ会、最後の、っていうか2回目の品評会です。
 端から順に、僕の白2.4、ぶんぶんさんの緑2.4G、やすいさんの白2.4、たかのりさんの緑2.4、赤い一番さんの2.4Zです。これだけセダンの比率、しかも2.4の比率が高いのもアンバランスですが、同じ2.4とはいえ、僕の96年、やすいさんの99年、たかのりさんの2000年と、それぞれが違った車体だけに面白さはあります。 

さっそく写真の撮り合い。ここでも例によって、集合写真を撮っていただきました。

 96年と99年のセダンが並ぶと、その違いはよく分かります。なんといっても、バンパーのグリル部分のカラーが黒からボディ同色に変わったんですよね。ですから、99年は真っ白です。
 でも、みんなの興味はやっぱり2000年モデルです。
 ぶんぶんさんは、早速たかのりさんに頼んで、運転席に座らせてもらったり、なめ回すように運転席を眺めたり。
 確かに、99年までとは違いが沢山あります。
 エアコンの操作部とオーディオが入れ替わってるんです。もっとも、オーディオは相変わらずのオリジナルサイズで、1DINとも、2DINとも互換性がありません。とはいえ、CDプレイヤーが標準で装備されたんで、CDチェンジャーの方はメーカーオプションでもディーラーオプションでもなくなってしまったようです。
 シフトノブは、それ自体が大きくなって、形状がかなり変わってます。皆さんご承知の通り、ケバケバもありませんし。
 トランクのオープナーもなくなってます。これには何の意味があるのかよく分からないです。なにも、わざわざ無くさなくても。というのが大半の意見です。
 キーの閉じ込み防止機能も面白いですね。キーが刺さった状態だからか、エンジンがかかっているからか、ドア内側のキーロックをセットしても、自動的に撥ね退けてオープン状態にしてしまうんです。これは便利、というか、お役立ちでしょう。
 テールランプもガラッと変わりました。外側のオレンジ部分がクリアになってます。内も赤が基調でイメージはかなり変わりましたね。
 たかのりさんに、ホイールカバーの洗車は大変でしょう。といわれて、洗車の際に手を抜いたことがバレちゃったんですが、99年以前の2.4のホイールカバーは中途半端なメッシュ状で、洗いにくいんです。その点、2000年モデルは洗いやすそうです。
 冗談半分でぶんぶんさんに、洗いにくいから5本スポークのアルミに替えます、って言ったら、それなら「所キャバ」のアルミでしょう。と返されました。確かに。あれならひと拭きですからね。

 たかのりさんは赤い一番さんのTRDダウンサスに興味を持たれていたようですが、まずは、やっぱりホイールかなぁ、と頭の中にはすでにいろいろと計画があるようです。
 とはいえ、さりげなく、ヘッドライトは交換されているようですが…。

 僕のキャバリエの運転席にも赤い一番さんに座ってもらい、シフトホールカバーを批評してもらいました。エンジンをかけてシフトをチェンジさせてみて、おぉ、と低いうなり声が。横から覗き込んでいた奥さんに、「作って」って頼んでました。
 やすいさんからは、これ、売れるんじゃないですか、とか冷やかされたり。うーん、作るのに手間がかかるしなぁ。でも、買ってくれる人がいたら、売っちゃうかも。

 最後に、せっかくだから展望台の方へ上がりましょう、と提案。いいですね、と皆さん乗ってくれました。第2駐車場から展望台へは階段があったはずなんですが、改装工事中だったんです。間の悪いことに。ですから、みんなで芝の斜面を駆け上がり、展望台のある高台へ。第1駐車場からならすぐなんですが、5台を連ねて止められなかったですから。

 展望台は玄関が階段を上った2階で、そこにお土産物屋やレストランがあり、4階部分が展望フロアになってます。土産物屋でフィルムを買っていたぶんぶんさんを待って展望フロアに。
 皆さん、思い思いに風景を楽しんでいただきました。富士山が見えるかも、という東側を見ていた赤い一番さんと奥さんは、「あれが富士山かなぁ」といいながら、雲なのか、雪の積もった富士山なのか、はたまた幻なのか、遠くを眺めていました。
 僕も目を細めてみたんですが、「富士山といわれれば富士山かなぁ」というような、感じですね。いや、あれは雲です。と言われればそうかもしれないですし。

 一通り、全方位の眺めを楽しんだ頃、ぶんぶんさんが挨拶に来られました。このあたりでおいとましないと横浜まで帰れなくなるからと。確かに遠いですからね。しかも、東名の上り線といえば渋滞にはまりに行くようなもんですから。
 お昼ご飯だけでも、とお誘いしたんですが、やっぱり時間が気になるとのことで、ここで断念です。
 最後に、CLUB CAVALIERのためにお送りいただいた写真をお返しして、さようならです。
 この写真は、掲載してから今までずーっと、預かりっぱなしだったモノで、メールで「オフ会の時に」と冗談っぽく返事を頂いていたものだったんです。ま、一応約束は果たしましたよ、ということで。

 みんなで駐車場へ戻り、横浜へと帰るぶんぶんさんのキャバリエを見送りました。

 残る赤い一番さん組とたかのりさん組、やすいさんと僕の6名で、豊橋市内へ昼食をとりに向かいます。
 蔵王山から豊橋市内へは田原街道を走るルートと三河港大橋を経由する湾岸ルートがあるんですが、赤い一番さんの奥さんが展望台の上で、三河港大橋に興味をもっていらっしゃったんで、そちらを通ることに。つまりはトヨタ田原工場へ、再び向かうような格好なんですが、緑ヶ浜の交差点を今度は右に曲がって、橋へと向かいます。
 橋にさしかかった頃、前方に、見覚えのある緑色のクルマを発見。後続の方には申し訳なかったんですが、思わずアクセルに力が入っちゃったんです。いや、別に追いついたところで、どうなるもんでもないんですが、名残惜しい、というんでしょうか。ただ、それだけです。

 結局、ぶんぶんさんには迷惑だったかもしれませんが、豊橋市内の深いところまでご一緒させていただき、ぶんぶんさんが右折待ちのところを直線で走り抜けて、お別れしました。

 昼食は、ガイドブックで見つけた豊橋名物の菜めし田楽。これを食べさせてくれる「きく宗」さんにお邪魔しました。
 専用駐車場にキャバリエ4台を止め、お店へ。
 お店の女将に、「お席はすぐに用意できるんですが、お料理の方が3~40分お待ちいただかないと」と言われたものの、ここまで来て引き返すつもりもなく、待つことに。
 遠方の(と言っても、それ以上遠いやすいさんもいらっしゃるんですが)赤い一番さんが、早めに帰りたいとの話を聞いていたんですが、ちょっと無理をお願いしてご一緒していただきました。

 しばらく玄関近くで待った後、2階の座敷に通され、そこで注文の後、雑談を。

 今度のオフ会はどうするか、という話から、ここに残っている人が、全員、西日本なんだなぁ、と思ったんですが、ここでふと疑問に思ってたかのりさんに聞いてみました。
「岐阜の方、って、ご自分が西日本に属しているとお思いなんですか?東日本ですか?」と。
「うーん。どっちとも思ったことがないなぁ。強いて言えば中央ですねぇ」
「え?」
 と思わず、赤い一番さんと声を合せてしまったんですが、
「でも、NTTは西日本ですね」と。
「あはは」
 これも、文化の違いなんですかね。天下分け目の関ヶ原という具合に、岐阜は東日本なのかなぁ、という思いもあったんですけどね。中央だ、と主張するのは信長、秀吉、家康に通ずる思想なのかも。

 やすいさんとたかのりさんにオフ会1日目の様子を説明していたら、やすいさんが、
「新しい書き込みがあるかもしれないですね」と、
 ノートパソコンを取り出してきました。普通のノートよりも更に小さい、東芝のリブレットです。
 それに直接カードとして装着できるタイプのPHSを接続して、インターネットにアクセス。
 みんなに見せていただきました。

 IKOさんが、早速オフ会の模様をアップしていただいていたり、帰ってきましたというコメントが書き込まれていたり。
 データベースへの登録者数も更に増えてました。

 おまけに、やすいさんには、GT CAVALIERなる、94年以前のCHEVROLET CAVALIERの写真を見せていただきました(これは今なら掲示板経由でも見れるようにしていただいてます)。

 リブレットを閉じると同時に、料理が運ばれてきました。
 竹串に刺した豆腐の味噌田楽と、たっぷりの菜めしの組み合わせが絶妙です。
 お昼ご飯にしてはやや高く、赤い一番さん組には、二日続けて贅沢をさせてしまいましたので、申し訳なく思います。ご本人曰くは、「美味しいものを食べられるんなら構わない」とおっしゃっていただきましたので、ありがたいことです。

 やや薄暗かった店内を出て、明るい日差しの下、6人並んで駐車場へと向かいます。
 これでいよいよ大団円です。

 全員で豊川インターへ向かうものの、一応、この駐車場で解散ということにしました。最後に皆さんにお別れの挨拶をして、次回へ繋がるよう、期待を寄せながら、キャバリエに乗り込みます。

 豊橋市内を抜け、豊川市に入り、城下の交差点を右に曲がれば4kmほどで豊川インターです。
 豊川インター直前の交差点で、ちょうど赤信号に変わったばかりなので、サイドブレーキをひき、クルマを降りました。たかのりさん、やすいさん、赤い一番さんご夫妻に最後の挨拶をして、クルマに戻ります。
 信号が青に変わり、目の前に緑色の高速入口の看板が見えたところでブレーキをかけ、ハザードをたいて後ろを振り返ってみました。たかのりさん、やすいさん、赤い一番さんのキャバリエが、それぞれ、あいさつ代わりの短いクラクションを鳴らしながら豊川インターの入口へと消えていきました。

 はぁーっ。一つ大きなため息。

 終わったんだ、と。
 下見2回に、トヨタ自動車との打合せ、皆さんへのご連絡と、ホームページ上での案内。
 いろいろと頭の中をめぐりました。

 でも、終りじゃないんですね。

 第1回が終わっただけですから。

   「第1回 CLUB CAVALIER Off Meeting レポート」(終り)